Analog Man presents KING OF TONE overdrive pedal
原文:AnalogMan/Mike san 日本語意訳:AnalogComputer/CAMTAC/RE-J
(意訳および訳注は、私RE-Jも参加した開発の過程で得られた事実に基いています。)
このたび、Analog Manと Jim Weiderとの協同製作により、 長年我々が本当に欲しいと望み続けてきたペダルを作りあげることができました。 その名は、『The King of Tone』(KT)オーバードライブペダルです。 現在市場には、たいへん多くのオーバードライブペダルが存在します。 しかしながら、一切の妥協をすることなく、必要とするだけのオーバードライブ感を与え、 かつギターの音色を損なわずに再現できるものなど存在しませんでした。 一部にクリーンブーストが得意なものはありますが、 充分なドライブ感を得るには少し物足りない領域が残されていました。 一方最近のオーバードライブの中には、 とても優れたトーンバランスやレスポンスを持つものがありますが、 それらの音はいくぶん飾り気がついてしまっていたり、暖かみに欠けていたり、 ギターのトーンやボリュームで自由自在に操れる最高のアンプと同等であるとはとても言えないものでした。 おわかりいただけたしょうか。 King of Toneの目指す領域とは、みなさんのお気に入りのギターやアンプの特色を最大限そのまま残し、 充分な暖かみのあるオーバードライブをそっと加え、かつアンプをブーストしてとても豊かで自然な響きを得る、 そういう随分と高度な領域でもあるのです。

Jimは20年近くもの間お気に入りのオリジナルTS-808を使ってきました。 実はそのTS-808は、THE BANDのコンサートでの演奏中にRick Dankoが踏み壊してしまったため、 1980年製のTS-9のケースに収められ現在に至っています。 JimはこのTS-808の音を大変気に入っている一方で、低音をいくばくか損なってしまう点と、 中音域に片寄った音になってしまう点がいつも気になっていました。 私AnalogMikeも、TS-808の音が本当に好きでTS-808モディファイを行ったTS-9を幾千も売ってきました。 しかしながらその一方で、Jim同様にギターの本当の音色をそのままアンプに伝えられるペダル、 つまり音のレンジが狭くなってしまったような感覚を一切伴わず、 アンプのような"オープン"な鳴り、自然な音色の引き出せるペダルを夢見てきました。 Jimいわく、"もっと一つ一つの音色が明瞭に聞こえる音"です。 TubeScreamerは、中音域を強調し音をうまく圧縮することによって、 とても演奏がしやすいタイプの良い音に変えてくれます。 しかしJimWeiderのように本物の音を追求するプレイヤーにとっては、 演奏の腕前を包み込むことなく表現し、素晴らしい音色をダイレクトに奏でることが理想なのです。

The King of Toneオーバードライブは、 Jim所有の1960年製デラックスリバーブのボリュームを上げた状態、 すなわちプリアンプとパワーアンプの真空管から得られる自然なオーバードライブトーンを 複製することを目標として開発されました。 Jimのアンプは、我々の友人でもあった今はなきCesar Diazによって改良が施されたもので、 私がかつて聞いた中では最高の音のするアンプでした。 KTは、TubeScreamerの回路を使っていない数少ないオーバードライブペダルでもあります。 総じてさほど多くの歪みは得られませんが、TubeScreamerよりも高めの出力レベルが得られ、 TONEの効きはほぼ同様です。 我々が試作品を作って以来、Jimは気に入ってくれステージでも何度か使ってくれました。 その後私は、日本にいる協同開発者CAMTACことRE-Jさんに電子メールで回路図を送り、 彼は私の提案に基いて音の検証を行い、その後の開発を日本にて協力してくれました。 TS-9/808/SilverやBOSSモディファイの協同開発者であるCAMTACことRE-Jさんは、 例えばコンデンサーやICチップの違いを聞き分けるとても優れた感性の耳を持っており、 KTをより良くするための改良の提案や部品選定に参加してくれたのです。 KTの目的に最も合致したICチップとダイオードの選定、 そして斬新な音の改良の発案は彼の研究開発の成果から導きだされたものです。 今回採用したJRC製のICチップは、トーンコントロールなどに使われる高音質なものであり、 我々がTubeScreamerに使っているJRC4558Dよりももっと音を明瞭に再現してくれ、 かつ充分な暖かみを持っています。 ダイオードはあるがままの音を強力に引き出し、圧縮感はとても少なく、 常にクリアな音色が得られるものです。 演奏者の意図するままの音色、各弦の鳴りまでもがクリアなまま得られることが特徴なのです。
KTは、右のフットスイッチにより、2つのチャンネルを切り替えることができます。 それぞれのチャンネルは、独立した出力ボリュームと(ボリューム直下に搭載された)LEDを持ちます。 LEDは高輝度の黄色と赤色で、容易にどちらのチャンネルが選択されているか認識できます。 左のフットスイッチはエフェクトペダルのON/OFFスイッチで、もちろんトゥルーバイパスです。 その他、マスターDRIVEとTONEがありますが、さらにペダルの内部にTREBLE BOOSTノブが搭載されています。 Teleを使うJimにとっては不要なのですが、 '69年製のMarshallと'59年リイッシューのLes Paulとの組み合わせにおいて、 甘くてピリッとしたMichael Bloomfieldのような音色を醸し出すためにこの機能が有効であることを私は発見したのです。 (Michael Bloomfieldは、Fender Twinアンプと1959年製サンバーストLes Paulを使っていたと思います。)

ペダルの内部には、3連の小型DIPスイッチが搭載されており、 それぞれのチャンネルに最適なOverDriveモードを選択することができ、 またペダル全体をDistortionモードにすることができます。
1)Normal Overdriveモード(ODモード):このモードでは、KT標準の音、 チューブスクリーマーよりはいくぶん少ないドライブ感を持つ、Jimが最も好みの音が得られます。 出荷時の設定では、(赤色のLEDの)第1チャンネル(左側のVOLUMEノブ)に対して、 このモードが選択されています。 このモードでは、チューブスクリーマーの約4倍の最大出力レベルが得られます。
2)CLEAN driveモード:このモードでは、ペダル自体でのオーバードライブは少なくなり、 アンプに対するクリーンブーストに最適な、高めの出力レベルの音が得られます。 つまり、全く歪みのないクリーンブーストと、オーバードライブの中間の音だと言えます。 すわなち、標準のODモードよりも圧縮感が少なくなり、 アンプをブーストするのに適した"オープン"な状態がCLEANモードなのです。 出荷時の設定では、(黄色のLEDの)第2チャンネル(右側のVOLUMEノブ)に対して、 このモードが選択されています。 このモードでは、ODモードのさらに2倍の最大出力レベルが得られます。
3)DISTORTIONモード:このモードでは、オーバードライブに加えて、 柔らかめのディストーションのようなしっかりとした歪み感を付け加えることができます。 KTの音の個性そのものは失うことなく維持していますが、比較的圧縮感が強い音になります。 このモードでは、チューブスクリーマーの2倍弱の出力レベルが得られます。
DRIVEを少なく設定している場合、またはソフトなタッチで演奏している場合には、 3つのモードそれぞれの音色に大きな差はなくなり、とても自然でクリーンな音になります。
(オーバードライブを使っていることさえ忘れてしまうかもしれませんが、 いわゆるクリーンブーストとは異なり、しっかりと芯のある太目の音が得られると思います。)この出荷時の設定は、赤色LEDのチャンネルをODモードにし、黄色LEDのチャンネルをCLEANモードにするため、 どちらの音が自分にとって好みであるかを確認することもできますし、 (ニュアンスの異なるオーバードライブ音を任意の出力レベルに設定し、)切り換えて使い分けることができます。 もし、現在のODとCLEANの組み合わせが自分にとって好都合であれば、 1と2のDIPスイッチをそのまま残しておけばよいことになります。
両方のチャンネルを標準のODモードにしたければ、(CLEANモードは使えなくなりますが、) スイッチの設定を、
ON OFF OFF両方のチャンネルをCLEANモードにしたければ、(ODモードは使えなくなりますが、) スイッチの設定を、
OFF OFF OFF3つ目のDIPスイッチは、(オーバードライブ音の上に、)ハードな歪み感を付け加えるためのものです。 ひとたびこのスイッチをONにすると、歪みが顕著に現れ、かつ低めの出力レベルになります。 このスイッチをONにした状態では、標準のODモードやCLEANモードそのものの音は使えなくなり、 これらのモードの音の上に重ねられる形で歪み感が加わるのです。 (オーバードライブを加えつつアンプをブーストし、プリアンプ部分が歪んでいる状態に近いと思います。) DIST設定は、ODモードやCLEANモードの設定とは切り離されて有効になりますので、 ひとたびDISTスイッチをONにすると、ODモード(正確にはODモードにDISTが重なった状態)と、 CLEANモード(CLEANモードにDISTが重なった状態)それぞれ常に歪み感が加わるため、 音の差は比較的わかりにくくなってしまうことでしょう。 (決して過激なDISTORTIONではなく、オーバードライブと相性の良いきめの細かい歪み感になるよう調整してあります。)
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